“物言わぬ、雨の聲。”

05.June


物言わぬ、雨の聲。


雨は降れども 無音の水糸
地に触れ 底から 舞い上がる

飛沫は上がれど 無音の水珠
虚描き 空から 舞い落ちる



聲は出せども 無音の振動
言葉は 零れて 消えていく

聲は無くとも 微音の心
振れて 震えて 消されてく


聲は届けど 雨音の中
触れ確かめても 其は容無く


物言わぬ、雨の聲
ただ只管に 雄弁に